妊娠中の方にとって、周囲でりんご病が流行しているという情報は、どのような体調不良よりも緊張を強いるものです。もし、上の子や職場でりんご病が出た場合、自分自身に症状がなくても、病院へ行くべきか、あるいはどのように対応すべきかを即座に判断しなければなりません。まず、最も重要なのは、独断で悩まずにかかりつけの産婦人科に電話で相談することです。妊婦がりんご病のウイルスに感染すると、胎児の赤血球が破壊され、胎児水腫と呼ばれる全身のむくみが生じたり、最悪の場合には流産や死産に至るリスクがあります。特に妊娠二十週未満の初期から中期にかけての感染は注意が必要とされています。病院へ行くべき基準としては、周囲に感染者がいた場合や、自身に微熱や関節痛、発疹が現れた場合です。産婦人科では血液検査によって、過去に感染したことがあるか、あるいは現在進行形で感染しているかを調べることができます。もし過去に感染して抗体を持っていれば、今回の流行で胎児に影響が出る心配はほぼありません。日本人の大人の約半数はすでに抗体を持っていると言われていますが、自分がその半分に入っているかどうかは検査をしなければ分かりません。検査の結果、最近の感染が疑われる場合には、超音波検査で胎児の状態を頻繁に確認し、万が一の事態に備えた管理体制に入ります。症状がないからといって放置することは、胎児からのSOSを見逃すことに繋がりかねません。また、りんご病は飛沫感染だけでなく、手を介した接触感染も多いため、病院での指導に基づいた徹底的な手洗いやマスク着用が推奨されます。大切な新しい命を守るために、少しでも懸念がある場合は、躊躇せずに医療機関の指示を仰いでください。専門医による適切なモニタリングこそが、妊婦さんにとって最大の安心材料となるはずです。