「子供がわきがになるなんて…」と驚かれる親御さんもいるかもしれませんが、実はわきがは、思春期頃から症状が現れ始めることが多いと言われています。アポクリン汗腺は、第二次性徴期に性ホルモンの影響を受けて発達し、活動が活発になるため、この時期にわきがのニオイが気になり始めるケースが多いのです。具体的には、小学校高学年から中学生くらいにかけて、体臭の変化に気づいたり、友人から指摘されたりして、わきがを意識し始める子供が多いようです。早い子では、小学校中学年頃から兆候が見られることもあります。子供のわきがのニオイは、大人と同様に、アポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚の常在菌によって分解されることで発生します。思春期は、ホルモンバランスが大きく変動する時期であり、アポクリン汗腺の活動も活発になりやすいため、ニオイも強くなる傾向があります。また、この時期は、汗をかく機会も多く、部活動などで運動量が増えることも、ニオイを助長する要因となり得ます。子供が自分のニオイに気づき、悩みを抱え始めることは、精神的にも大きな負担となります。友達との関係や学校生活にも影響が出る可能性があるため、親御さんは子供の様子を注意深く見守り、もしニオイに気づいたり、子供が気にしているような素振りを見せたりした場合は、頭ごなしに否定したり、不潔だと叱ったりするのではなく、まずは優しく話を聞き、一緒に向き合っていく姿勢が大切です。わきがは体質的なものであり、本人のせいではありません。正しい知識を持ち、適切なケアや対策を教えてあげることが、子供の不安を和らげ、前向きに過ごせるようにするためには不可欠です。必要であれば、専門医に相談することも検討しましょう。