顎関節症は、様々な症状が現れる可能性のある疾患です。どの症状が最もつらいか、あるいは他にどのような症状を伴っているかによって、最初に相談すべき診療科や、連携が必要となる診療科が変わってくることがあります。1. 顎の痛み、口が開きにくい、顎が鳴る(クリック音、ジャリジャリ音)が主な症状の場合: * 受診する科: まずは歯科または口腔外科を受診しましょう。これらの症状は顎関節症の典型的なものであり、歯科医や口腔外科医が専門的に診断・治療を行います。マウスピース(スプリント)療法、薬物療法、理学療法などが主な治療法となります。2. 顎の痛みに加えて、首や肩のこり、頭痛がひどい場合: * 受診する科: 歯科・口腔外科と並行して、整形外科の受診も検討しましょう。顎関節症と首や肩のこり、頭痛は密接に関連していることがあります。噛み合わせの異常が姿勢の歪みを引き起こしたり、逆に首周りの筋肉の緊張が顎関節に影響を与えたりすることがあります。整形外科では、首や肩の状態を評価し、適切な治療やリハビリテーションを行ってくれます。3. 顎の症状に加えて、耳鳴り、めまい、耳の痛みがある場合: * 受診する科: 歯科・口腔外科と合わせて、耳鼻咽喉科の受診も考慮に入れましょう。顎関節は耳のすぐ近くにあるため、顎関節の異常が耳の症状を引き起こすことがあります。耳鼻咽喉科で耳自体の異常がないかを確認してもらうことが大切です。4. ストレスや不安感、不眠など、精神的な不調も伴う場合: * 受診する科: 歯科・口腔外科と連携して、心療内科や精神科への相談も有効です。ストレスや精神的な緊張は、歯ぎしりや食いしばりを悪化させ、顎関節症の症状を増悪させる大きな要因となります。心療内科や精神科では、カウンセリングや薬物療法を通じて、精神的な側面からのアプローチを行います。このように、症状に応じて複数の診療科が関わることもあります。まずは、顎の症状を専門とする歯科・口腔外科を受診し、必要に応じて他の科への紹介を検討するのが一般的な流れです。