「最近、夫(パートナー)が些細なことで怒りっぽくなった」「以前よりも短気で、すぐにイライラしている気がする」…もし、40代後半から50代以降のパートナーにこのような変化が見られたら、それは男性更年期障害(LOH症候群)のサインかもしれません。男性更年期障害は、本人だけでなく、家族や周囲の人々との関係にも影響を与えることがあります。パートナーのイライラが男性更年期障害によるものだとしたら、どのように理解し、接していけば良いのでしょうか。まず、男性更年期障害は、本人の性格が変わったのではなく、男性ホルモン(テストステロン)の減少という身体的な変化が、精神的な不安定さを引き起こしている可能性があることを理解することが大切です。テストステロンは、意欲や気力、感情のコントロールにも関わっているため、その減少はイライラや不安感、気分の落ち込みといった症状となって現れることがあります。決して、わざとイライラしているわけではないのです。次に、パートナーの言動を頭ごなしに否定したり、責めたりしないように心がけましょう。「またイライラしてるの?」「どうしてそんなに怒るの?」といった言葉は、本人をさらに追い詰めてしまう可能性があります。まずは、本人の話をじっくりと聞き、共感的な態度で接することが重要です。「最近、体調が悪いのかな?」「何かあったの?」と、心配している気持ちを伝えるのも良いでしょう。そして、もし男性更年期障害の可能性が考えられる場合は、専門医への受診を優しく勧めてみることも考えてみてください。本人も、自分の変化に戸惑いや不安を感じているかもしれません。一緒に情報を集めたり、医療機関を探したりするのも良いサポートになります。ただし、無理強いは禁物です。本人が受診に抵抗がある場合は、時間をかけて、少しずつ理解を深めてもらうようにしましょう。家庭では、リラックスできる環境作りを心がけ、バランスの取れた食事や十分な睡眠がとれるようにサポートすることも大切です。お互いに思いやりを持ち、コミュニケーションを大切にすることが、この時期を乗り越えるための鍵となります。