大人が「いちご舌」になった場合、その治療法は、いちご舌そのものを治すというよりも、その原因となっている基礎疾患や体調不良を治療することが基本となります。いちご舌は、あくまで何らかの病気や不調の一つの症状として現れていることが多いからです。最も代表的な原因である溶連菌感染症が診断された場合は、抗菌薬(抗生物質)の投与が治療の中心となります。ペニシリン系の薬剤などが処方され、医師の指示通り、処方された期間、必ず最後まで服用することが重要です。途中で服用をやめてしまうと、再発したり、合併症のリスクが高まったりする可能性があります。抗菌薬治療により、溶連菌が排除されれば、いちご舌の症状も自然と改善していきます。もし、稀なケースではありますが、川崎病が原因である場合は、入院治療が必要となり、免疫グロブリン大量療法やアスピリン療法といった専門的な治療が行われます。早期に適切な治療を開始することが、心臓の合併症を防ぐために非常に重要です。ビタミンB群の欠乏が原因と考えられる場合は、食事療法によるビタミンB群の積極的な摂取や、ビタミン剤の補充が行われます。バランスの取れた食事を心がけることが基本となります。また、特定の薬剤の副作用が疑われる場合は、原因となっている可能性のある薬剤を中止または変更することを検討します。ただし、これは必ず医師の指示のもとで行う必要があります。自己判断で薬を中止するのは危険です。強いストレスや疲労、睡眠不足などが背景にある場合は、十分な休息をとり、生活習慣を見直し、ストレスを軽減するための対策を講じることが、間接的にいちご舌の改善につながります。いちご舌の症状に対しては、口腔内を清潔に保つためのうがいや、刺激の少ない食事を心がけるといった対症療法も、症状の緩和に役立ちます。いずれにしても、まずは医療機関を受診し、原因を特定することが、適切な治療への第一歩となります。
いちご舌の治療法原因疾患へのアプローチが基本