アルコールと痛風尿酸値を上げるメカニズム

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「痛風にはビールが悪い」という話をよく耳にしますが、実はビールに限らず、アルコール飲料全般が痛風のリスクを高める要因となります。アルコールが尿酸値を上昇させるメカニズムは、主に3つあると考えられています。まず一つ目は、アルコールそのものが体内で分解される際に尿酸の産生を促進するという点です。アルコールが肝臓で代謝される過程で、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー物質が分解され、その結果としてプリン体が増加し、尿酸の産生が亢進します。二つ目は、アルコールが腎臓からの尿酸の排泄を抑制するという点です。アルコール、特にビールなどに含まれるプリン体の代謝産物や、アルコールの利尿作用によって一時的に脱水状態になることなどが、腎臓での尿酸の再吸収を促し、尿中への排泄を妨げてしまうと考えられています。三つ目は、アルコール飲料に含まれるプリン体です。特にビールは、他のアルコール飲料と比較してプリン体の含有量が多いことで知られています。しかし、前述の通り、アルコール自体の作用による尿酸値上昇効果の方が大きいため、「プリン体ゼロ」や「プリン体オフ」と表示されたアルコール飲料であっても、飲み過ぎれば尿酸値は上昇します。つまり、アルコールの種類に関わらず、摂取するアルコールの総量が多いほど、痛風のリスクは高まるのです。また、アルコールと一緒に摂取するおつまみにも注意が必要です。脂っこいものや、プリン体を多く含む食品(レバー、魚卵、肉類など)は、さらに尿酸値を上げる原因となります。痛風の予防や治療のためには、アルコールの摂取量を控えることが非常に重要です。医師から禁酒を指示されている場合は、それを守りましょう。飲酒が許可されている場合でも、適量を守り、休肝日を設けるなど、節度ある飲酒を心がけることが大切です。