代表的なアレルギー検査の種類と特徴を理解しておきましょう。1. 血液検査(特異的IgE抗体検査): * 特徴: 採血によって血液を採取し、特定のアレルゲンに対するIgE抗体(アレルギー反応に関与する抗体)の量を測定する検査です。一度の採血で、複数のアレルゲン(花粉、ハウスダスト、ダニ、食物、カビ、ペットの毛など)に対する反応を調べることができます。 * メリット: 皮膚の状態に左右されず、薬を服用中でも検査が可能です。乳幼児でも比較的安全に行えます。 * デメリット: 結果が出るまでに数日かかることがあります。IgE抗体の値が高いからといって、必ずしもそれが症状の原因であるとは限らず、総合的な判断が必要です。2. 皮膚テスト: * a) 皮膚プリックテスト: アレルゲンエキスを皮膚に1滴垂らし、専用の針で軽く傷をつけて反応を見る検査です。15~20分程度で結果が分かります。 * b) 皮内テスト: アレルゲンエキスを皮内に注射して反応を見る検査です。プリックテストよりも感度が高いですが、アナフィラキシーのリスクもやや高まります。 * c) パッチテスト: アレルゲンを付着させたパッチを背中などに48時間貼り、皮膚の反応を見る検査です。主に接触皮膚炎(化粧品かぶれ、金属アレルギーなど)の原因物質を調べるのに用いられます。 * メリット: 比較的短時間で結果が分かり、アレルゲンに対する即時型アレルギー反応を直接確認できます。 * デメリット: 検査部位の皮膚に湿疹などがあると行えない場合があります。抗ヒスタミン薬などを服用していると、正しい結果が出ないことがあります。稀に強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があります。3. 食物経口負荷試験: * 特徴: 食物アレルギーの診断を確定するため、あるいは耐性を獲得したかを確認するために行われる検査です。疑わしい食物を少量から段階的に摂取し、症状の有無を医師の監視下で確認します。 * メリット: 食物アレルギーの最も確実な診断方法とされています。 * デメリット: アナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応が起こるリスクがあるため、必ず専門医のいる医療機関で、緊急時の対応が可能な体制のもとで行う必要があります。