ペインクリニックの真実

2025年5月
  • 肥満と痛風の関係性尿酸コントロールの重要性

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    肥満は、様々な生活習慣病のリスクを高めることが知られていますが、痛風の発症とも密接な関係があることがわかっています。なぜ、肥満が痛風の原因となるのでしょうか。そのメカニズムはいくつか考えられています。まず、肥満の人は、体内でプリン体が過剰に作られやすい傾向があります。内臓脂肪が増加すると、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなる状態)が生じやすくなり、その結果、高インスリン血症となります。この高インスリン血症が、プリン体の合成を促進し、尿酸の産生を増加させると考えられています。また、肥満の人は、腎臓からの尿酸の排泄能力が低下しやすいとも言われています。インスリン抵抗性は、腎臓での尿酸の再吸収を促し、尿中への排泄を妨げる作用があるため、血中尿酸値が上昇しやすくなるのです。さらに、肥満の人は、食べ過ぎや飲み過ぎの傾向があることが多く、プリン体を多く含む食品やアルコールを過剰に摂取しがちです。これも、尿酸値を上げる大きな要因となります。加えて、肥満に伴って、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病を合併していることも少なくありません。これらの生活習慣病は、それぞれが尿酸値を上昇させたり、腎機能を低下させたりするリスクがあり、痛風の発症や悪化を助長する可能性があります。したがって、痛風の予防や治療において、肥満を解消し、適正体重を維持することは非常に重要です。食事療法と運動療法を組み合わせ、体重をコントロールすることで、尿酸値の改善が期待できます。特に、内臓脂肪を減らすことは、インスリン抵抗性の改善にもつながり、尿酸コントロールに効果的です。医師や管理栄養士の指導のもと、無理のない範囲で体重管理に取り組み、痛風のリスクを減らしていきましょう。