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小児科医が教える受診のタイミングと注意点
現場で多くの子供たちを診ている小児科医の視点から、りんご病における受診の必要性についてお話しします。多くの親御さんが、頬が赤くなった段階で「今さら行っても意味がないのではないか」と考えて受診をためらわれます。確かに、特効薬はなく、感染力もピークを過ぎていますが、それでも一度は足を運んでいただきたい理由があります。それは、合併症のチェックと正しい知識の共有のためです。りんご病は稀に、脳炎や心筋炎といった恐ろしい合併症を引き起こすことがあります。また、もともと貧血気味のお子さんの場合、急激に数値が悪化することもあります。診察では、心音の異常がないか、顔色が悪くないか、むくみが出ていないかといったポイントをプロの目で確認します。受診のタイミングとしては、頬の赤みに気づいた当日か翌日で構いません。ただし、一つだけ強くお願いしたい注意点があります。それは、病院へ行く前に必ず電話で連絡を入れ、指示を仰いでほしいということです。りんご病が疑われる段階では感染力は低いとされていますが、まだ発疹が出始めたばかりの時期は微量のウイルスを排出している可能性を完全には否定できません。また、待合室には新生児や妊婦、重症の患者さんもおられます。多くのクリニックでは、発疹のある患者さんを別室で待機させるなどの動線分離を行っています。こうした配慮は、院内感染を防ぐために不可欠です。診察の際、私たちは登園の許可証の有無についても相談に乗ります。多くの園では医師の診断を求めていますので、結果的に二度手間を防ぐことにも繋がります。病院へ行くことは、お子さんの状態を医学的に担保するプロセスです。焦る必要はありませんが、落ち着いて適切な手順を踏んで受診してください。それが、お子さんにとっても周囲にとっても、最も安全で確実な対応となります。