医療の高度な専門化が進む現代において、シェーグレン症候群のような全身に影響が及ぶ病気の受診科選びは、事例研究を通じても非常に複雑であることが示されています。患者の多くは最初にドライアイや口内乾燥を訴えて各専門科を訪れますが、そこでの診察が局所的な対応に留まってしまうと、背景にある自己免疫の異常を見逃すリスクが生じます。包括的な医療を提供するためには、リウマチ科や膠原病内科という主治医的な役割を担う診療科と、各器官を精査する眼科、耳鼻咽喉科、歯科・口腔外科との密接なネットワークが不可欠です。病院選びの指標としては、まず第一に「膠原病・リウマチ学会」の専門医が在籍しているかどうかを確認することが基本となります。専門医であれば、血液中の特殊な自己抗体の動態や、腺外症状と呼ばれる肺線維症や腎炎、血管炎といった重篤な合併症の兆候を早期に捉えることが可能です。次に、診断に必要な特殊検査が、院内もしくは連携施設で円滑に行える体制があるかどうかも重要です。例えば、唾液腺の造影検査や生検は、設備が整った口腔外科や耳鼻咽喉科でなければ実施できない場合があります。シェーグレン症候群は、厚生労働省の指定難病にも認定されている疾患であり、診断が確定すれば公費負担医療制度の対象となることもあります。このような制度面の案内も含めて、ソーシャルワーカーや専門看護師が相談に乗ってくれる地域の中核病院や大学病院は、長期的な療養を考える上で非常に心強い存在です。受診科を選ぶことは、単に今の症状を抑えるだけでなく、一生付き合っていく可能性のある自分の身体の管理責任者を選ぶことでもあります。まずはリウマチ科を軸に据え、そこから必要に応じて専門科へと枝葉を広げていく体制を構築することが、最も安全で合理的なアプローチと言えるでしょう。
自己免疫疾患の疑いがある際の包括的な医療機関の探し方