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後悔しないケアミックス病院の選び方
いざ、自分や家族のために、ケアミックス病院を選ぶとなった時、その多機能性ゆえに、「何を基準に選べば良いのかわからない」と、戸惑ってしまうかもしれません。全てのケアミックス病院が、同じ機能や質を持っているわけではありません。後悔しない、納得のいく病院選びのためには、いくつかの重要なポイントを、事前に確認しておくことが大切です。まず、最も基本的なのが、「提供している機能の確認」です。ケアミックス病院と一口に言っても、その組み合わせは様々です。「急性期」と「回復期」を持つ病院もあれば、「回復期」と「療養」が中心の病院もあります。あなたが今、あるいは将来的に、どのような医療やケアを求めているのか(集中的なリハビリか、長期的な療養かなど)を明確にし、その目的に合った機能を持つ病棟があるかを、病院のウェブサイトやパンフレットで、必ず確認しましょう。次に、特に在宅復帰を目指す上で重要なのが、「リハビリテーション体制の充実度」です。回復期リハビリテーション病棟があるのであれば、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)といった、リハビリの専門職が、どれくらいの人数、配置されているか。リハビリテーション室の広さや、設備の充実度はどうか。そして、三百六十五日、毎日リハビリが受けられる体制が整っているか、といった点は、回復のスピードを大きく左右する、重要なチェックポイントです。さらに、目を向けるべきなのが、「在宅復帰支援への熱意」です。退院後の生活を、どれだけ具体的にサポートしてくれる体制があるか。例えば、退院前に、リハビリスタッフやソーシャルワーカーが、実際に患者さんの自宅を訪問し、手すりの設置や段差の解消といった、住宅改修のアドバイスをしてくれる「退院前訪問指導」を行っているか。あるいは、地域のケアマネジャーや、訪問看護ステーションと、どれだけ密に連携を取っているか。専門の相談員である「医療ソーシャルワーカー(MSW)」が、複数名配置されているかも、その病院の退院支援への力の入れようを測る、良い指標となります。これらの情報を、事前に収集し、比較検討することが、あなたの未来の生活を、より良い方向へと導く、賢明な一歩となるのです。