毎晩、隣で眠るパートナーから発せられる、けたたましいほどの大きないびき。それは、単に「うるさくて眠れない」という、睡眠妨害の問題だけではないかもしれません。そのいびきの音の中に、あなたのパートナーの健康を脅かす、深刻な病気のサインが隠されている可能性を、あなたはご存知でしょうか。特に、注意深く耳を傾けてほしいのが、いびきの「音の変化」です。もし、パートナーのいびきが、ただ大きいだけでなく、「大きないびきが、突然、不気味なほどに静かになり、十秒以上、呼吸音が完全に消える。そして、しばらくすると、まるで溺れているかのように、”ガガッ!”と、あえぐような、しゃくりあげるような音と共に、再び大きないびきをかき始める」。このようなパターンを繰り返している場合、それは、睡眠時無呼吸症候群の、極めて典型的な症状です。大きないびきは、喉の奥にある気道が狭くなっているサイン。そして、その後の静寂は、気道が完全に塞がれ、呼吸が停止してしまっている「無呼吸」の状態を示しています。そして、あえぐような呼吸音は、体が酸欠状態に苦しみ、必死に呼吸を再開しようともがいている、悲痛な叫びなのです。この状態が、一晩に何十回、何百回と繰り返されることで、本人の体には、計り知れないほどの負担がかかっています。心臓や血管は常にストレスに晒され、高血圧や心疾患、脳卒中といった、命に関わる病気のリスクが、著しく高まっていきます。しかし、この夜ごとの死闘を、本人は眠っているため、全く自覚することができません。その危険なサインに気づき、受診を促すことができるのは、隣でその一部始終を聞いている、あなただけなのです。もちろん、パートナーに「病気かもしれないから、病院へ行って」と伝えるのは、非常にデリケートな問題です。相手を傷つけたり、不安にさせたりしないように、言葉を選ぶ必要があるでしょう。しかし、見て見ぬふりをすることは、パートナーの未来の健康に対する、最も無責任な行為とも言えます。スマートフォンの録音機能などを使って、実際のいびきの様子を客観的な証拠として聞かせてあげるのも、本人に事態の深刻さを理解してもらうための、有効な方法の一つです。あなたの愛情のこもった一言が、パートナーの人生を、深刻な病のリスクから救う、きっかけになるかもしれません。
パートナーのいびきは危険な症状かも