アデノウイルス感染症は、一年を通して発生しますが、特にプール熱(咽頭結膜熱)などは夏場に、また一部の型は冬から春にかけて流行しやすい傾向があります。妊娠中にこれらの流行期を迎える場合、感染リスクをできるだけ避けるための対策を講じることが大切です。まず、人混みを避けることが基本です。特に、流行期には、不特定多数の人が集まる場所(ショッピングモール、イベント会場、満員電車など)への外出は、できるだけ控えるようにしましょう。やむを得ず外出する際には、マスクを正しく着用し、飛沫感染のリスクを減らすことが重要です。マスクは、鼻と口をしっかりと覆い、顔との間に隙間ができないように装着しましょう。次に、手洗いの徹底です。外出先から帰宅した際、食事の前、トイレの後など、こまめに石鹸と流水で丁寧に手を洗いましょう。石鹸がない場合は、アルコール手指消毒剤も補助的に有効です。手で顔(特に目、鼻、口)を触る癖がある方は、意識して触らないようにすることも大切です。また、家族内での感染予防も重要です。もし、家族の中にアデノウイルス感染症の症状が出ている人がいる場合は、できるだけ接触を避け、看病する人を限定するなどの対策を講じましょう。感染者が使用したタオルや食器は共用せず、こまめに洗濯・消毒します。ドアノブや手すりなど、よく手が触れる場所も定期的に消毒しましょう。十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、免疫力を高めておくことも、感染症予防の基本です。過労やストレスは免疫力を低下させるため、無理のない生活を送り、リラックスできる時間を作るようにしましょう。そして、定期的な妊婦健診を受け、体調に変化があればすぐに産婦人科医に相談することも忘れないでください。これらの対策を日頃から意識し、実践することで、アデノウイルス感染のリスクを減らし、安心して妊娠期間を過ごすことができるでしょう。
アデノウイルス流行期妊婦の感染対策