シェーグレン症候群という病名は、近年ようやく認知度が高まってきましたが、依然として初期段階での受診先を誤り、治療の開始が遅れるケースが散見されます。リウマチ専門医として多くの方を診察してきた立場から、受診科選びの明確な基準をお話しします。まず理解していただきたいのは、シェーグレン症候群には、この病気単独で発症する原発性と、関節リウマチや全身性エリテマトーデスといった他の膠原病に合併して現れる二次性の二つの形態があるという点です。どちらの場合であっても、診断の確定を担うのはリウマチ科や膠原病内科です。血液検査で免疫の異常を客観的に証明することが、確定診断の必須条件となるからです。患者さんの中には、口が乾くので歯科に行ったけれど、そこで全身の病気だと言われて驚いた、という方も多くいらっしゃいます。歯科や眼科の先生方は、局所の異常を見抜く力には長けていますが、そこから先の免疫調節に関わる薬物療法までは担当しません。したがって、眼科や歯科はあくまで異常を見つけるためのセンサー、リウマチ科はその司令塔であると捉えてください。もし、ドライアイや口内乾燥に加えて、朝の指の強ばり、微熱、疲れやすさ、冬に指先が真っ白になるレイノー現象といった症状があるなら、迷わず膠原病内科の門を叩いてください。これは単なる乾燥症を超えた、全身の免疫システムが警告を発している状態です。内科の中でもリウマチ科や膠原病内科は、非常に細かく血液の項目を精査し、あなたの身体の中でどのような抗体が暴れているのかを特定してくれます。最近ではステロイド以外にも、免疫調整薬などの選択肢が増えており、早期に適切な科にかかることで、臓器の機能低下を防ぐことが可能です。何科に行くべきかという迷いが、あなたの健康を損なう原因にならないよう、まずは全身を診る内科的スペシャリストに相談することから始めてください。
専門医が解説するシェーグレン症候群の初期症状と何科