女性が膀胱炎と診断された場合、その治療はどのように行われるのでしょうか。膀胱炎の主な原因は細菌感染であるため、治療の基本は抗菌薬(抗生物質)の内服となります。適切な抗菌薬を服用することで、原因となっている細菌を退治し、つらい症状を速やかに改善することができます。医師は、尿検査の結果や患者さんの状態、アレルギー歴などを考慮して、最適な種類の抗菌薬を選択します。一般的に、膀胱炎の治療によく用いられる抗菌薬としては、ニューキノロン系、セフェム系、ペニシリン系などがあります。これらの薬剤は、膀胱炎の原因となりやすい大腸菌などの細菌に対して高い効果を示します。通常、抗菌薬は3~7日間程度服用します。症状は、服用開始後1~2日程度で劇的に軽快することが多いですが、ここで自己判断で服用を中止してしまうと、細菌が完全に死滅せずに再発したり、薬剤耐性菌を生み出す原因になったりする可能性があります。処方された抗菌薬は、必ず指示された期間、最後まで飲み切ることが非常に重要です。抗菌薬以外にも、症状に応じて他の薬剤が処方されることもあります。例えば、排尿時の痛みが強い場合には、鎮痛薬(痛み止め)が処方されることがあります。また、頻尿や残尿感がつらい場合には、膀胱の過敏な収縮を抑える抗コリン薬などが用いられることもあります。ただし、これらの薬剤は、あくまで症状を和らげるための対症療法であり、根本的な治療は抗菌薬による細菌の除去です。治療中は、十分な水分を摂取し、尿量を増やして細菌を体外へ排出しやすくすることも大切です。また、安静を心がけ、体を冷やさないようにすることも、早期回復のためには重要です。医師の指示に従い、適切な治療とセルフケアを行うことで、膀胱炎は確実に治癒する病気です。