始まりは3ヶ月前のことでした。特に風邪を引いたわけでも火傷をしたわけでもないのに、ふとした瞬間に舌の先がピリピリと痛むことに気づいたのです。最初は「少し疲れているのかな」とか「口内炎の前触れだろう」と軽く考えていましたが、1週間経っても2週間経っても痛みは消えるどころか、次第に範囲が広がっていくようでした。鏡で自分の舌を何度確認しても、赤くなっているわけでも白い点があるわけでもなく、至って健康そうなピンク色をしています。それなのに、熱いものを飲んだときや酸味の強いものを食べたときには、まるで傷口に塩を塗られたような鋭い痛みが走り、次第に食事をすること自体が苦痛になっていきました。インターネットで舌が痛いというキーワードで検索を繰り返すと、真っ先に出てくるのは舌癌という恐ろしい言葉でした。それ以来、私は寝ても覚めても舌のことが気になり、暇さえあれば鏡を見ては新しいしこりや色の変化がないかを探すという、不安のループに陥ってしまいました。意を決して近所の歯科クリニックを訪れたところ、先生は私の舌を丁寧に観察し「物理的な傷や腫瘍はありません。ただ、少し乾燥しているようですし、食いしばりの跡がありますね」とおっしゃいました。そこで処方されたのは保湿ジェルとビタミン剤でしたが、症状は劇的には改善しませんでした。次に私は大きな病院の口腔外科を受診しました。そこでの診断は舌痛症というものでした。医師の説明によると、検査で異常が見つからないのに舌が痛いという症状は現代人に増えており、特にストレスや神経の過敏さが原因で脳が痛みを感じ続けてしまうことがあるそうです。診断名がついたことで少し安心したのか、それまで感じていた癌への恐怖は和らぎましたが、痛みそのものがすぐに消えるわけではありません。私はそこから生活習慣を徹底的に見直すことにしました。まず1日に2リットルの水を飲むことを目標にして口の中の乾燥を防ぎ、夜はスマートフォンの使用を控えて7時間以上の睡眠を確保するように努めました。また、自分がどのようなときに舌を強く噛み締めたり、歯に押し付けたりしているかを意識し、気づいたときには肩の力を抜いて口を半開きにする練習を繰り返しました。驚いたことに、精神的なゆとりが出てきた受傷から2ヶ月目あたりから、あんなに執拗だったピリピリ感が少しずつ薄れていったのです。今では完全に痛みが消えたわけではありませんが、気にせずに食事を楽しめる日が増えてきました。舌が痛いという経験を通して、私は自分の体がどれほどストレスに対して敏感であるかを知ることができました。同じように原因不明の痛みに悩んでいる方がいたら、まずは専門医に相談して不安を取り除き、その後でゆっくりと自分の生活と向き合ってみることをお勧めします。
舌が痛い症状が続いた私の体験記